エピソード3 2005.6.20 午後2時3分〜 T−1
二見 本日はお忙しい中、多数お集まりいただき誠に有り難う御座います。全女魂を思い続けている、ファンの皆様お待たせしました。第59代WWWA世界シングルチャンピオン(以下・WWWA)の前川久美子(以下前川)選手が、T−1グランプリ(以下T−1GP)に参戦することを発表します。前川選手の参戦に至る経緯を説明させていただきます。私の女子プロレスのスタートラインは、全日本女子プロレスさんです。
全女がなかったら、今大会は開催してないでしょう。そういったこだわりがあり、今大会の開催告知を一番最初に、全女さんにさせていただきました。同じ日に、見事WWWAの初戴冠を成就した前川選手。これは運命と言っていいでしょう。その運命から宿命に変え、第3者のステージで思い切り闘ってほしいです。残念ながら、団体がなくなりましたが、不遇なチャンピオンにしてはいけません。現在、前川選手の主戦場はAtoZさんです。AtoZさんは、現状の女子マット界で、全女イズムを一番継承し、前川選手の実力を発揮できるリングだと思います。その熱い闘いをT−1GPに放り込んで、そして今大会をきっかけに、今埋もれているのを蘇えらせたいと思います。得意のプロ野球に例えれば、最強の3番バッターのような活躍を、今大会で期待してます。これは大リーグやプロ野球では、4番ではなく3番バッターこそが最強説が根強いからです。もうひとつ将棋の駒で例えれば、日向選手が角、田村選手が飛車なら、前川選手は王将です。最高の権威をもつ選手に相応しい、そしてステップアップできるステージを用意したい。今大会を必ず成功し、次に繋がるメッセージをファンやこれからの選手に伝えるためには、ぜひ前川選手の力を借りたいと思っています。以上をもちまして、前川選手、出場決定に至る経緯を説明させていただきました。続きまして前川選手より、T−1GP参戦に関しましての決意表明をいただきます。
前川 T−1GPに参戦させていただく形になりました。形的には、全女が無くなってメンバーがバラバラになってしまいましたが、全女で当たれなかった選手とこれから対戦したいと、自分の頭の中でありました。この大会は色んな選手が参戦しますから、今まで全女の枠に囚われた分色んな選手と当たって、今までと違うことを感じて新鮮な闘いになればいいと思う。WWWAということも、自分でも思い入れがありますし、目立てる様にしたい。責任感も出てきて、所属団体が無くなった分自分のことをアピール出来ればいいと思います。
二見 ここで改めまして、今大会の詳細などの新しいお知らせをお伝えします。
元全女のHikaru選手、JWPの木村響子選手、AtoZの華名選手、K-DOJOの山縣優選手、以上4選手に対して参戦要請の逆指名とします。せっかく多数ご参集していただいているので、リップサービスさせていただきます。再三、公式な場で伝えてますが、若く、新しい、新世代の選手が引っ張って行かないと、現状の女子プロレス域から出て行かないです。現在、T−1GPの出場決定選手が、西尾選手以外、キャリアのある選手です。そろそろ新世代がリーダーシップをとってほしいので、自分なりに考えて、賛否両論は覚悟の上、逆指名させていただきました。順番に説明すると、Hikaru選手は、既に参戦発表している西尾選手と並ぶ、新世代のトップランナーです。1月3日に、今大会に対してマイクアピールがあり、その後ケガがなかったら、おそらくT−1GP参戦を発表していたでしょう。現在欠場中ですが、ネイティブストーリーをこの舞台で見せて、救世主になってほしいです。続いて木村選手は、どちらかと言うと地味な選手が多いJWPでは、ワイルドで異色な存在です。しかし、JWPの枠に留まらず、女子プロレス界の中でもインパクトが残せる選手だと思います。もし参戦が決定しましたら、昨年、12月の新世代、今年、1月のLADY,GO!、そして8月のT−1GPと、3大会オールスター戦的興行制覇の唯一の選手になります。華名選手は、試合に対するひたむきさに、現状の女子プロレスラーの中で、数少ない感情移入できる選手です。サブタイトルの一つにある、ときめきに一番マッチし、ニューヒロイン誕生の可能性を秘めている選手だと思います。山縣選手は、今大会の秘密兵器であり、ラブコールを送れるだけの価値のある、隠しだま的な存在の選手です。彼女こそ、闘い、天下を追求しなければいけない選手ですし、ホームリングで、実現できない対戦カードを用意したいです。更に4選手に共通しているのは、礼儀正しい、今後プロレス界に留まらずアスリートの範となってほしい選手です。
これは前川選手を含めて、今までの決定選手は、挨拶がしっかりできる選手です。
いくら有望でも、思想や心技体の心がしっかりしてない選手は、今大会に挙げるつもりはありません。以上4選手に直球を投げました。これから各選手が、どういう形で私にボールを投げ返してくるか、プロとして問われると思うので、ストレートな回答を待ってます。熱いものを感じれば、受諾ではなく、喜んで快諾したい。そして前川選手には、若い選手達の高く厚いカベであってほしい。前川選手もT−1GPというチャンスから、新しい可能性と希望を生みだせる選手です。全女で出来なかった分、このオーバーグランドで実力を思う存分発揮できる、リスクある闘いの舞台を用意したいです。前川選手よろしくお願いします。
前川 よろしくお願いします。
二見 以上をもちまして詳細の説明を終わりとさせていただきます。質疑応答の時間とさせていただきます。
記者 前川さん、決定、候補選手含めて、戦って見たい選手はいますか。
前川 決定選手は大体当たったことがありますので、二見さんこの枠が決定選手ですか。
二見 はいそうです。
前川 そうすると、T−1マスクが当たったことないですね。でも、久住(日向のこと)選手も気になりますし、田村は全女が倒産した時点で当たっていないので、今まで当たれなかった選手の枠に入ると思いますが、誰でもOKです。ただ新鮮な闘いがしたいです。
記者 先程言いました、WWWAの防衛戦の方は誰かとありますか。
前川 一応、全女が無くなって自分がベルトを持っている状態ですが、タイトルをやるなら全女の許可が入ります。田口さんに断りを入れてベルトを持っていますので、全女がOKを出せばタイトル戦は可能だと思います。ただ、今この中で、ベルトを賭けて戦いたいのは微妙です。
記者 二見さんの方から、逆指名がありましたが、今後も逆指名する選手はいますか。
二見 名前を挙げていない選手で、実力的にはまだまだですが、何とか挙げたい選手はいます。でも、プラスアルファの材料がほしいです。それが無いときつい。今までの前川選手含めた決定選手は、文句なし選びましたが、自ら切り開かないて立ち上がらないと変わらないので、逆指名は4選手に絞りたい。他の選手に関しては、選手次第で待ちの姿勢です。逆指名は4選手だけなので、マスコミの皆さんも4選手の背中を押して下さい。
記者 最終的に8月23日の試合数は何試合ですか。
二見 当初から変わらず、全シングルマッチ7試合、14選手参加、本日で6選手決定ですので、残りは8選手、枠は少ないです。
記者 以前正嗣さんから、連絡があればベルトを封印していいと言っていましたが、その後、連絡はありますか。
記者 それはタイトルマッチをやろうと思っても現実的には、出来ない状態だから心の変化があったんですか。
前川 そうですね。今は、はっきり言って全女にこだわるつもりはありません。ただ、試合のスタイルとして、試合をしたら絶対全女というのは私の心の中で残っているので、
それにこだわる事なくこれから試合して行きたい。全女、全女とこだわっていたら前へ進めないので、試合を見てもらえれば全女のスタイルは変わりませんから、こだわりなくこれから色々な選手と試合して行きたい。
記者 封印しようと思っていても、封印を決める人がいない状況です。管理する人がいない以上、決めるのは現段階では前川さんになりますか。
前川 松永会長が、結論を出すと思います。タイトルマッチをやると言っても、代表が不在でT−1GPでやりたいと言っても簡単ではないと思います。歴史の事もあるし、問題が多すぎるので、簡単にタイトルをやりたいとは言えないです。色々考えた上、T−1でタイトルが出来れば一番いいですが、難しいと感じています。